あかとくろとあさぎ

2021年10月公開映画『燃えよ剣』を楽しんでいる山田担のブログ

有岡大貴くんと東映特撮ヒーロー

先日お誕生日を迎え、30歳になりましたが、まだまだ「永遠の少年」というイメージの強い有岡くん。そのイメージ通りに、ヒーロー作品にまつわるエピソードを聞くことが多い印象があります。
その中でも、私の好きな東映特撮ヒーロー作品に絞って、今まで聞いたことがあるエピソードについてちょっとまとめてみました。特撮作品をあまり見たことがない方も「以前、有岡くん絡みで名前を聞いたあの作品ってこんな感じだったんだ…」と思っていただければ嬉しいです。

 

 

 

 

そもそも「東映特撮ヒーロー」とは?(※興味のない方、すでにご存知の方は読み飛ばしていただいて全然大丈夫です!)


映画「シン・ウルトラマン」の出演が決定している有岡くんですが、この作品のリブート元である「ウルトラマン」は円谷プロダクション制作のため、東映特撮作品ではありません。
東映株式会社が製作している、仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズなどの作品を総称して「東映特撮」と呼びます。
東映特撮は、「ウルトラマン」「ゴジラ」といった、巨大なヒーローや怪獣たちが登場するような作品とは異なり、人間が等身大のヒーローとなり、あまりサイズ感の変わらない怪人たちと街中で戦うという筋書きのものが多いのが特徴です。*1
近年の作品には大掛かりなCGを使ったものも多いですが、これらの作品の中には、いわゆるミニチュア特撮による撮影が行われていないものも多いため、「特撮」というカテゴリーに入れて良いのかどうかは、ファンの間でもしばしば議論の的になったりします。そのため、「特撮」というより、「変身ヒーローもの」などと言ったほうがより正確だと言われることもあります。
(東映はそもそも時代劇映画を主に製作する会社だったため、時代劇の流れを汲んでこのような作品が作られるようになっていったと考えられます)*2
しかし、東映が公式で動画を配信するコンテンツ(「東映特撮YouTube Official」「東映特撮ファンクラブ」)において「東映特撮」という名称が使われているため、ここではそれで統一したいと思います。
また、東映特撮作品の中には不思議コメディシリーズや「ロボコン」など、ヒーローが変身して敵と戦う作品以外のものも数多く存在するため、それらと区別する意図も込めて「東映特撮ヒーロー」と呼びたいと思います。

 

百獣戦隊ガオレンジャー」(2001年)

www.super-sentai.net


有岡くんは2003年にジャニーズ事務所に入所する前、子役として様々な作品に出演していました。その中でも特に有名なのがこの「百獣戦隊ガオレンジャー」ではないでしょうか。
有岡くん演じる風太郎は、31話から突然現れる、ちょっと生意気なところのある謎の少年です。ガオレンジャーはこの風太郎に色々と振り回されたりもするのですが、その正体は思いも寄らないもので…。
風太郎はガオレンジャー中盤におけるかなり重要なキャラクターです。興味のある方はぜひ本編を見てみてください。今よりも初々しい演技の可愛らしい有岡くんが見られますよ!
ちなみに当時のスーパー戦隊は、すでに他のドラマではほとんど見られなくなっていたオールアフレコ形式で撮影を行っていました。撮影現場で演じたものに後から声を当てなければならないので、演技経験があったとはいえ、当時まだ小学生だった有岡くんは色々と苦労もあったのではないかと思います。
ジャニーズ事務所入所前のお仕事だったこともあり、有岡くん本人の口から当時のエピソードを聞くことは少ない印象がありますが、関係者の方がたまにSNSなどで話題にされています。
例えば、ガオレンジャーで牛込草太郎/ガオブラックを演じられていた酒井一圭さんは、純烈のリーダーとして現在活動中です。純烈は2018年から毎年NHK紅白歌合戦に出場しているため、有岡くんとも舞台裏で挨拶を交わされていたようです。

 

 


また、有岡くんを風太郎に抜擢したのは、ガオレンジャー31話を撮られた竹本昇監督だそうです。

 


(ちなみに、竹本監督が引用RTされている元ツイートのアカウントの方もおそらくガオレンジャーに関わっていらっしゃった方なのですが、プロフィールに本名の表記が無いため一応伏せさせていただきます)

 

仮面ライダー龍騎」(2002年)

www.kamen-rider-official.com


2021年3月23日放送の「ヒルナンデス!」にて、有岡くんが東京ドイツ村でロケを行う様子が流れました。
そこで有岡くんは同い年の職員さんと意気投合するのですが、その理由は「推し仮面ライダーが一緒だったから」というものでした。
その仮面ライダーというのが、この「仮面ライダー龍騎」という作品に登場するライダーの一人、仮面ライダーゾルダです。

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この「仮面ライダー龍騎」という作品ですが、「13人の仮面ライダーが殺し合い、最後に生き残った一人だけが願いを叶えられる」という非常にショッキングなコンセプトを掲げています。そのため、「仮面ライダー」という肩書きの人物だからといって、必ずしもヒーロー然とした性格の人間ではないという特徴があります。
それを象徴するようなキャラクターの一人が、このゾルダの主な変身者である北岡秀一です。

www.kamen-rider-official.com

北岡は優秀な弁護士ですが、自己中心的な人間で、金さえ積まれればどんな悪人でも無罪にするという噂を立てられています。
そのため、周囲の人間からは評判が悪く、また仮面ライダー同士の戦いを止めたいと願う主人公・城戸真司を「青臭い」と一刀両断してしまうような皮肉屋でもあります。
しかし、そんな彼がライダーとして戦い続けるのにはある切実な理由があり、また作中で主人公たちと関わっていく間に少しずつ彼も変化していきます。単純に善人とも悪人とも言い切れない、味のあるキャラクターです。
また、変身後の仮面ライダーとしてのスペックも非常に高く、高火力の武器を数多く使いこなしています。
主人公の龍騎よりも、こういう複雑な背景を持つサブキャラクターであるゾルダが「推し」だという有岡くん、当時小学5年生だったことを思うと、少し大人っぽい人に憧れていたのかな…などと想像してしまいます。
ちなみに、この北岡秀一を演じたのは、やはり純烈のメンバーの一人でもある小田井涼平さんです。紅白歌合戦の時に、裏でちょっとお話ししていたらいいな…と勝手に思っています。

 

特救指令ソルブレイン」(1991年)

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(公式のサイトや紹介ページ等が見つからなかったため、Amazonプライムのリンクを貼っておきます)
Myojo2017年3月号「開運!夢対談」という企画にて、有岡くんはジャニーズWEST重岡大毅くんと「東西オカダイキ頂上決戦3本勝負!」と題した対談を行っています。そこでこんな会話がありました。

有岡 うん。俺の名前の由来、なんだっけな? たしか、うちのお兄ちゃんが好きだった戦隊ヒーローの主人公からとったんだよね。
重岡 へぇ〜!何のヒーロー!?
有岡 なんだっけなー? レンジャーでもなくて、ライダーともちがうラインのヒーローがいたのよ。『ビーロボ カブタック』系の。

出典:Myojo 2017年 3月号

この有岡くんの「だいき」という名前の由来になったヒーローですが、おそらく「特救指令ソルブレイン」の西尾大樹隊長だと思われます。
(昔の雑誌のインタビュー記事ではっきりと有岡くんが「ソルブレイン」と名前を出しているものがあるようなのですが、今回ちょっと原典に当たることができませんでした…)
ここまで、スーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズと、比較的メジャーなシリーズの作品名を挙げてきましたが、この「特急指令ソルブレイン」という作品名はリアルタイム世代でない方にはあまりピンとこないかもしれません。

 

有岡くんが対談中で「レンジャーでもなくて、ライダーともちがうラインのヒーロー」と言っていたように、東映特撮ヒーロー作品には、かつて仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズと並んで「メタルヒーローシリーズ」というものがありました。「変身」の掛け声で肉体を変化させる*3仮面ライダーや、カラフルな色味のチームヒーローであるスーパー戦隊と異なり、主人公がメタリックな装甲を纏った人間やロボットなどであることが、このシリーズの特徴です。
宇宙刑事ギャバン(1982年)」から「テツワン探偵ロボタック(1998年)」までの17作品を指します(対談中に出てきた「ビーロボカブタック(1997年)」は16作目です)。もしかすると、「見たことないけど『ギャバン』という名前はどこかで聞いたことがある」という方もいらっしゃるかもしれません。(長瀬智也さんがかつて、バラエティ番組などで度々話題にされていました)
このメタルヒーローシリーズですが、ちょっとややこしいことに、「メタルヒーローシリーズ」という括りの中にさらに「◯◯シリーズ」という括りがいくつか存在します。まあだいたい、Hey!Say!JUMPの中にHey!Say!BESTとHey!Say!7があるようなものだと思ってください。
メタルヒーローシリーズ内の「レスキューポリスシリーズ(全三作品)」の二作目に当たるのが、この「特救指令ソルブレイン」です。

 

このレスキューポリスシリーズは他の多くの東映特撮ヒーロー作品と異なり、ほとんどの話が「悪の組織が毎回送り込んでくる怪人をヒーローが倒す」という筋書きになっていません。
「ポリス」と付いているように、主人公たちは警察官です。犯人確保や人命救助の際に、必要に応じてメタリックな装甲を纏うという設定です。
東映は、現在「相棒」「科捜研の女」「特捜9」「刑事7人」など数多くの刑事ドラマを製作していますが、過去にも「キイハンター」「Gメン'75」「特捜最前線」といった有名な刑事ドラマを数多く製作していました。
レスキューポリスシリーズは、それらの作品とスタッフやキャストが一部共通しています。それもあってか、回によっては特撮ヒーロー番組とは思えない、かなり渋めの刑事ドラマのようなエピソードがあったりします。
(孤独な老人たちが日本を戦後の焼け野原に戻そうと企む「わしら純情放火団」*4、不良少年の更生を描いた「勇者が涙を流す時」*5など)

 

中でも、この「特救指令ソルブレイン」は前作の「特警ウインスペクター」より更に刑事ドラマのテイストを強めており、後味のスッキリしないエピソードや、アクションシーンよりドラマを重視したエピソードが数多くあります。それも関係しているのか分かりませんが、玩具売上は前年度より落ち込んだとも言われています。
また、途中から前作の主人公である香川竜馬隊長がパワーアップして登場したり、上司である正木俊介本部長*6が生身のまま数多くの活躍を見せたりするため、主人公である西尾大樹隊長の影が薄いと言われることもあります。

 

こういった側面があるからか、ソルブレインメタルヒーローシリーズの中でもややスポットが当たりにくい印象のある作品なのですが、唯一無二の魅力のある作品ですし、時おり青臭い一面を見せながらも様々なやりきれない事件と向き合っていく西尾隊長は紛れもなくヒーローです。
有岡くんの名前の由来が西尾隊長であると知った時、Hey!Say!JUMPと東映特撮ヒーロー作品両方のファンとして、私はまずその事実だけで大変嬉しかったのですが、有岡くんのお兄さんが、弟の名前にしたいと言うほど西尾隊長に憧れていたということが、当時の子供たちにとって西尾隊長がどれだけかっこいいヒーローだったかを証明しているようにも思えて、さらに嬉しかったのです。

 

 


他にも、何かのコンサートのレポートで、有岡くんが「仮面ライダーオーズ」を話題に出していたというのを見かけた記憶もあるのですが、ちょっとソースが見つからなかったため今回はこれくらいで……
ジャニーズと東映特撮作品はあまり交わることがないので、たまに接点が見つかるとついつい嬉しくなってしまいます。


今回、名前を出した三作品に関して、万が一もし全てご覧になりたいという方がいらっしゃいましたら、東映特撮ファンクラブのご利用がお勧めです。スマホでもPCでも利用できます。

tokusatsu-fc.jp


別に回し者とかではないのですが、なんとなく一応……


ちなみに、今度山田くんが出演する映画「大怪獣のあとしまつ」は松竹と東映がタッグを組んだ特撮映画だそうです。松竹も東映もあまり怪獣映画のイメージが強くないため、どんなことになるのか見当がつかなくてワクワクしています。「シン・ウルトラマン」と公開時期が近そうなのも含め楽しみです。

*1:スーパー戦隊シリーズにおいては、等身大の戦闘の後、巨大化した敵と巨大ロボに乗り込んだヒーローたちにより、毎回巨大戦が繰り広げられるのがお約束ではありますが、あくまでメインは等身大の戦闘であることがほとんどです

*2:日本のテレビヒーロー番組の歴史は宣弘社製作の「月光仮面」から始まっており、東映以外の変身ヒーロー作品ももちろん数多く存在します

*3:近年の仮面ライダーは必ずしもそうではないのがちょっとややこしいのですが、この辺りの定義を突き詰めるとややこしくなるのでざっくりとした捉え方にします

*4:ソルブレイン10話

*5:ソルブレイン33話

*6:仮面ライダーV3アオレンジャーなど過去数多くの東映特撮ヒーローを演じた宮内洋氏が演じられています